医療のIT化に伴い医療機関に必要なこと

医療のIT化を進めるうえで医療機関に必要なことは、院内のIT化の範囲、導入目的を明確に決めることです。
個人情報保護法の施行により患者の希望に応じてカルテの開示が義務化したこと、診療報酬改定により電子カルテ加算が導入されたことなど、医療機関でのIT化の流れには追い風が吹いています。
IT化はカルテ検索・運搬の省略による業務効率の向上、インフォームドコンセントの充実、病診連携のツールとして活用することができるなど様々なメリットが存在します。
また、カルテ紙、検査紙、フィルムなどの消耗品のコストを削減することができるといったメリットもあります。
IT化には様々なメリットがありますが、安易なIT化はコスト高を招きかねません。
標準的な導入コストとして、電子カルテ、レセプトコンピュータ、検査ファイリングシステム、画像ファイリングシステムはそれぞれ200万円程度が相場となっており、すべてのシステムを導入すると約800万円と新規開業の場合の平均的な医療機器、備品投資金額の約半分を占めます。
X線の画像ファイリングの場合、CRと呼ばれる電子機器が別途必要になり、CR本体だけでも500万円から600万円の追加投資を行わなければなりません。
また、限られたスペースの中でのIT機器の導入となると、患者動線やスタッフ動線にも配慮しなければならないのです。
自院でのIT化の目的と優先順位を検討し、自院の規模にあったITの導入を行うことがコスト高にならないために重要となってきます。
医療のIT化を進めることで得られるメリットもあれば、もちろんデメリットとなり課題となる部分もあります。

導入を検討する前に判断材料となる情報サイトなどを参考に様々な知識を得ておくことが重要です。